8月27日、石和温泉駅と周辺のまちなか実態調査に参加してきました。
これは、「山梨車いす生活者の会ステップアップ」主催によるもので、「支え合う会ピーチ&グレープ」、「山梨ユニバーサルデザイン研究会」、甲府シティロータリークラブのみなさんのほか、市役所職員の方々も参加して行われました。
スペースが狭い(最低基準をクリアしているレベルのため、電動車いすなどでは転回が不可能)、ドアロック(スライドして閉めると開閉しにくい位置になる)、荷掛けフック(位置が高い。可倒式のものをもっと低い位置にするなどの工夫が必要)など。
ほかに、洗面の鏡台も高く、車椅子ではよく見えないなど。
この実態調査は、1996(平成8)年から続けられており、今回が29回目でした。
県内の公共施設等を中心に、バリアフリーな施設となっているか、ユニバーサルデザインによる設計施工がなされているかなどを、実際に車いす利用者や身体障害のある方々が調査し、段差やサインはもとより、展示ブロックや音声案内、使いやすさ、わかりやすさ、滑りやすいか、歩車分離されているか、屋根がついているかなど、建物や施設(道路や通路、スロープ、トイレ、エレベーターなど)を調べ、管理者に改善を求めたり、問題点や意識も含めた課題を共有する貴重な機会となっています。
石和温泉駅北口の身障者用乗降場。わずかながら段差があり、キャスタ(前輪)が小さいと厳しい。
身障者乗降場の表示看板の位置もスペースを狭くする結果となっている。
同上
こちらは、石和温泉駅南口の身障者用乗降場。
南口の身障者用乗降場の段差は、バリアフリーとなっている。
石和温泉駅北口1階のエレベータ昇降口のボタン。
ここのボタンはなぜか他と異なり、少し突出したボタンを採用していない。しかもボタンが小さい。
これはすみやかに改善を図っていただきたいところ。
石和温泉駅南口のトイレ入口。
こちらの多目的トイレは、ユニバーサルデザイン研究会や身障者の方々など関係者の声を聴きながら設計してきただけに、評価が高かった。
残念なのは、サインが格好良すぎてよくわからない。
向こう側からだと排水管(雨樋)でサインすら見にくくなってしまっているということで、トイレの表示をパウチしてぶら下げるという結果になってしまいました。しかも、ジェンダーカラーを採用。
南口の敷地の関係もあり、動線とマッチしていないサインとなっているところが要改善。
あとは、トイレの中からロックしてしまう可能性があるので、注意喚起が必要。
笛吹市役所本庁舎(本館)1階の多目的トイレ。
ここは素晴らしいトイレとなっています。
利用者によっては長いタイプの便器がよいという方もいるそうですが、ウォシュレットのスイッチが便座の横についていないところが好評価でした。
車椅子からそのまま跨いで使用するというケースが結構あるそうなので、横にスイッチがついているタイプだと足が当たって使いづらいとのことです。
実態調査の後、みなさんで意見交換。
いろいろと参考になるご意見やご提案、率直な感想など、貴重な時間となりました。
現在、開会中の9月定例市議会において、今任期最後の本会議質問(代表質問)では、実態調査した内容についても触れ、北口トイレの課題への対応や、トイレやエレベータのボタン、北口の身障者用乗降場の段差や表示(サイン)の改善など、すぐにできるものは早急に取り掛かっていただけるよう市当局に伝えました。
こちらは山梨県立図書館1階の多目的トイレ。
後日、訪問した際に確認してきました。
かなり完成度の高い、使い勝手の良いトイレになっていると思われます。
山梨県立図書館1階のの多目的トイレ。
開閉スイッチの下に、注意喚起の表示。
石和温泉駅南口のトイレにもこれが必要ですね。
そして、ボタンはこうした突出型のタイプが使いやすいデザインということで、石和温泉駅のほとんどの場所ではこうしたタイプですが、北口1階のエレベータ乗降口は例外的にユニバーサルではなく、従来型の汎用タイプでした。